兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

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【第2〜10回のレポートを読む】
【第11〜15回のレポートを読む】



<第16回>特進クラス2年1組・3年1組(合同)
   「シカゴより好きな町」 リチャード・ペック著
   「くちびるに歌を」   中田永一
シカゴより好きな町_convert_20120810110257 くちびるに歌を_convert_20120810111200

リチャード・ペックの作品は、読者を引き付ける魅力があり、
元気あふれるダウデルおばあちゃんから
自分の人生を凛々しく生きる逞しさを
感じ取って欲しいと思いました。

銃をぶっぱなし、次から次へと騒動を引き起こす
豪快なおばあちゃんだけれど、
それは、すべて自分の人生を楽しむため。
自分の生き方に全力でぶつかっていこうとするパワーを
心いっぱいに楽しんでもらいたいと思いました。

2冊目は、長崎県西部の五島列島の中学校が舞台で、
全国コンクールを目指す合唱部とその家族の物語。

私のコーラス部での体験を交えながら、
その日その日を懸命に仲間と同じ目標をもって取り組む姿勢から、
団結力や最後まであきらめないで達成することの大切さや
仲間との絆から自分の生き方を見つめてもらいたいと考えました。

今回、私が伝えたかったのは、
ダウデルおばあちゃんからは凛々しく生きる力強さを
合唱部の中学生からは、仲間との絆や最後まであきらめないで
全力で取り組む姿勢です。
少しでもこの思いが伝わればと思います。


<第17回>商業科1年1組
   「穴 HOLES」ルイス・サッカー
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グリーン・レイク少年矯正キャンプにおけるスタンリーは
お金もなければ頼れる味方もいない。
彼の育った社会においても弱者。
スタンリーはあきらめず、毎日穴を掘ります。
自分の自由時間には仲間に文字を教えました。
命の危険を覚悟で脱走した友だちを追いかけ、
タマネギをかじりながら生きながらえました。

彼は、グリーン・レイクでの共同生活や穴堀から、
「どんな逆境の中でも希望を捨てない芯の強さ」を学びました。

生徒たちには、
誰にでも逆転のチャンスがある。
いつでも希望を失うことなく、
自分に自信をもって前に進んで欲しいということを伝えました。

この作品は1999年にニューベリー賞(*)を受賞しています。
ニューベリー賞とは何か、
またなぜスタンリーが無実の罪で捕まってしまったのかについても
説明しました。


<第18回>特進クラス1年1組
   「穴 HOLES」ルイス・サッカー

前回と同じ本を紹介しました。
あきらめずに前に進めば、
どんなことも乗り越えられるんだというメッセージが
伝わればと思います。



*ニューベリー賞:
1922年に米で制定された、世界で最も古い児童文学賞
受賞作品が決まると、書店に特集コーナーが設けられ、
学校では受賞作品にまつわる授業が行われるなど、
米の読書文化に大きな影響力を持っている。