野火 #selected by 国語科
『野火』 大岡昇平
selected by 国語科 摺河愛美先生
フィリピン戦線に取り残され
餓死の危機に直面する田村上等兵の姿は、
戦争を経験したことのない私たちに、
戦場の別の過酷な一面を見せる。
平凡な多くの日本国民が「戦争」の名の下に戦場に送られ
否応なく戦わされ見捨てられる理不尽さを、
作者は兵士としての実体験を基に
臨場感あふれる筆致で描いている。
平和を当たり前のように享受する私たちがいかに幸運で、
その平和がいかにもろい基盤の上に成り立っているかを
顧みることになる作品である。
* 先生の1冊とは?