兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

副校長の読書散歩 #19

      

校主先生、校長先生、園長先生の著書

selected by 安積秀幸副校長先生

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今年の1月から始めた「副校長の読書散歩」は20回になりました。
気が向くままに興味のある本を読み、紹介してまいりました。
上巻や下巻のある本は1つの本として紹介しましたが、
別の本として数えてみますと50冊になります。

今まで原稿を書きながら気になっていたことがあります。
それは、校主先生の『本物は美しい』、
校長先生の『新「やまと撫子」論』、
岡本ハーベスト保育園の片山真知子園長先生が監修されました
『子育てのための なでしこ流メソッド20』を
紹介していないということでした。

『本物は美しい』と『新「やまと撫子」論』は
兵庫県播磨高等学校に赴任しました時に、
本校の教育方針や基本的なコンセプト、
実践事例を勉強するためにいただきました。
『子育てのための なでしこ流メソッド20』は
今年刊行された新しい本です。
いただいた時に一度読み、必要に応じて読んでいます。





本物は美しい

『本物は美しい』
摺河昭彦 著



赴任当時にいただいた時に通読し、
本校の在り方について勉強させていただきました。

その後、先生方や生徒の皆さんに話をするときなど、
教養の礎を築かれ、そして実践されてこられた校主先生の考えや
様々なエピソードなど、その時々に応じて
あらためて読ませていただいております。

それだけではなく、いろいろとお教えいただくことがあります。
今回『本物は美しい』をひらいてみたところ、
「墨を惜しむ」において、次のような言葉に出会いました。
 
 腕を磨くことにより
 最少の筆致で最高の表現を目指す意味であります。
 これを「筆を惜しむ」と言い換えることもできます。

と書かれています。
このように文章を書いておりますと、
「推敲」を心掛けているのですが、後になってからも、
気になるところが目立ちます。反省しきりです。
幅広い知識と経験を端々に感じております。
直接お教えいただく機会がなかったことを、
とても残念に思っています。





やまと撫子論

『新「やまと撫子」論』
摺河祐彦 著 (プレジデント社



校長先生とは仕事の関係はもちろんですが、
趣味の話なども含めてお話をさせていただき、
その機会が最も多い一人だと思っています。

教育者として、また、経営者としてのはっきりとした考え、
信念を持っておられ、私の尊敬する人のお一人です。

『新「やまと撫子」論』は
平成23年島根県の公立高等学校入学者選抜で
国語の学力検査問題に使用されました。
124ページの
「人間関係と協調性を重視する日本文化を表す言葉として、」から、
128ページの
「『和の精神』をもっと大事にし、
子どもたちにも教えていくべきだと思っています。」までです。

入試問題を作成される方は、
受検する生徒の皆さんの学力をはかるだけではなく、
その県の教育の考え方等を知ってほしい、
その文に書かれていることについて考えてほしい
という願いや思いのもとに、多くの本の中から選ばれています。

平成25年12月2日の神戸新聞に、
西はりま天文台センター長の伊藤洋一さんも
「試験の出題者は、何も受験生を落とすためではなく、
狙いがあって問題を作っている。」
と書かれています。
入試問題に採用されるということは、
そのようなことから考えてもとても素晴らしいことなんです。

私の印象に残っているところは、27ページの、
本校の校訓の一つである「誠実」を具体的にひもとき、
「何をするにも心がこもっている」「物事から逃げない」
「嘘をつかない」「約束を守る」「自分の言動に責任を持つ」の
5つの例をあげて説明されているところです。

新しく本校の職員に就任された方々に
お話をする機会がありますが、
必ずこの部分を紹介することにしています。

校長先生には失礼な言い方になると思いますが、
これからも校長先生との話をさせていただく機会を
楽しみたいと思っています。





なでしこ流

『子育てのための なでしこ流メソッド20』
片山真知子監修 (河出書房新社



片山真知子先生は、岡本ハーベスト保育園に
校長先生と訪問させていただいた時に
初めてお会いしました。

お会いして、しばらくお話をして、
「何と素晴らしい方なんだろう。」と思いました。
その後何回かお会いしましたが、
その思いはその度に深まっています。

片山先生が子育ての本を監修されて出版されるということを
校長先生からお聞きして、心待ちにしていました。

初めてこの本を手にし、読ませていただいた時には、
片山先生の人柄がそのまま伝わってきました。
先生のあたたかい気持ちと培われた経験も
そのまま伝わってきます。

この本は、平成25年6月25日の
神戸新聞に大きく紹介されました。
紹介文を書かれた記者の方が本を読まれて、
いたく感動され取材されたことを片山先生からお聞きしました。
そのエピソードを聞きながら、
ちゃっかりとサインもしていただきました。

漫画仕立ての本ですが、読んでいて
「え〜、そうなんですか。」と教えられること教えられること。
驚きの連続でした。
読みやすく、子育て真っ最中の方にも、
これから子育てされる若いお父さんお母さん、
保育士を目指しておられる方にも
是非読んでいただきたいと思います。

私の子どもたちが自分の子どもを持ち、子育てをするときには
プレゼントしたいと思っています。



* 「副校長の読書散歩」とは?