兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

副校長の読書散歩 #59

絵本を読む

Selected by安積秀幸副校長先生


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2000年10月12日の木曜日、
当時勤めていた兵庫県立教育研修所が主担当となって
全国教育研究所連盟の全国大会を神戸で開催しました。

その大会で記念講演をお願いしましたのが、
この読書散歩の第4回で紹介しました河合隼雄先生でした。
先生は 当時、国際日本文化研究センターの所長をしておられました。
その時の講演の一部を紹介しましょう。


  今日も来る途中で児童文学を読んでいました。
  皆さんにもぜひ勧めたいです。
  教育研究所で研究の第一歩は児童文学を読むことだ、
  というくらいに思っていただいてもいい。
  絵本もぜひ読んでください。推薦します。

  どこがいいかと言うと、人と話をするとき恰好がいいんです。
  「どのくらい本を読まれますか。」と聞かれると
  「いやあ、今日は1日に3冊読みましたよ。」とか
  「1週間で20冊はかるいですな。」なんて言うてる。
  本当は絵本ですから、バラバラっと見てるんですが、
  それは分かりませんから、皆さん感心するんです。

  ところが絵本というのは本当に素晴らしい。
  バラバラっと見るだけと言いましたが、考え出すときりがないのです。
  いろんなことを考えさせられます。
  そういう意味で児童文学を僕は勧めたいと思います。


と言っておられました。

2016年2月21日、NHKの「サキどり」という番組でも
絵本を取り上げていました。
その中で出演された方が河合隼雄先生と同じようなことを言っておられ、
絵本にかかわる仕事に転職されていました。

子どもが小さい時には絵本を読んで聞かせたことを
懐かしく思い出しています。
今は、「孫にこんな絵本はどうかなあ。」と思いながら
時々本屋さんの絵本コーナーをのぞいています。







おやすみ、ロジャー

おやすみ、ロジャー
カール=ヨハン・エリーン 著
三橋美穂 監訳(飛鳥新社



こんな絵本は知りませんでした。
「サキどり」で紹介されていたので本屋さんで買って帰りました。
最初に行った本屋さんでは売り切れになっていました。
駅中の本屋さんで聞いてみたところ数冊が平積みになっていました。

帯には「たった10分で、寝かしつけ!」と書かれています。
本文が始まる前には「本書の読み方の手引き」が
1ページにわたって説明されています。

最初に「車を運転している人のそばで絶対に音読しないこと。」とあります。
【あくびする】では実際にあくびをしながら読むこと、
【なまえ】にはお子さんの名前を入れるなどと
注意事項が細かに書かれています。

河合隼雄先生が言われたように、
帰りの電車の中でバラバラっと読み終えてしまいました。

放送された番組では実際に保育園でお昼寝の前に
先生がこの「おやすみ、ロジャー」を読み聞かせて
寝かしつけておられました。
孫にもプレゼントしようかなあと思っています。

今までにない新しい絵本が出ています。
楽しんでみようと改めて思いました。




* 「副校長の読書散歩」とは?