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兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

参与の読書散歩 #60

副校長の読書散歩

 図書部員に教えられて 
ビブリオバトルで紹介された一冊

Selected by安積秀幸参与先生


IMG_4254

3学期の期末考査の期間中のビブリオバトルの職員研修がありました。
今までビブリオバトルという言葉を聞いたことはありましたが
実際に体験したのは初めてでした。

期末考査期間中にもかかわらず、
そのビブリオバトルを実演してくれたのは図書部の生徒さんたちでした。

3冊の本の紹介がありましたが、一番印象に残っている本が
今回紹介する『君の膵臓をたべたい』でした。
しかし、そのタイトルが猟奇的な感じがして読むのをためらっていましたが、
平成28年4月17日の神戸新聞ブッククラブにも紹介されていましたので
読んでみることにしました。その紹介文には、

 タイトルだけを見るとホラー小説?と思いきや全く違って、(中略)
 タイトルからは想像できない、号泣する感動作なのです。

と書いてありました。

ビブリオバトルで紹介してくれた図書部員に感謝します。






君の膵臓をたべたい20160411


君の膵臓をたべたい
住野よる 著
双葉社



ハーベスト医療福祉専門学校で摺河校長先生が書かれた言葉を拝見しました。
  
優という字は、人を憂うと書いて、優(やさ)しいと読みます。
人の気持ちに寄り添うことは、優(すぐ)れていることです。

で始まっています。この本を読んでこの言葉を思い出しました。

皆さんの中にはもうすでに読まれた方も多いと思います。
大変人気の本のようです。
しかし、このタイトルだけを見られて
「何というタイトルなんだ?」と思われませんか。
私もしばらく読むのをためらっていました。

最初からクラスメイトの山内桜良(さくら)さんの葬儀の話で始まります。
しばらく読んでいくと桜良さんは不治の病で余命1年ということがわかります。
そのことを誰にも言わずにいたのですが
ふとしたきっかけでクラスメイトの志賀春樹君が知ってしまいます。

小説にのめりこんでいく自分と、
冷静に見ている自分とを感じながら読み進めました。
春樹君が、余命いくばくもない「君」に言葉をかけることは、
とても私にはできそうにないと思います。
余命のことを考えてしまい、妙に意識し過ぎ、
かける言葉を探しているうちに妙な間ができてしまうのではと
思ってしまいます。

途中で桜良さんが入院し、その入院が延長され、
桜良さんの言動に春樹君が不安を感じるあたりでは
冒頭の数ページを読み返していました。

春樹君が桜良さんに
「君にとって、生きるっていうのは、どういうこと?」
と質問します。そのやり取りが印象に残っています。

彼女は、「うっわー、真面目かよ」と茶化した後、
真剣な顔をして空を見つめて考えてくれた。
「生きる、か」と彼女が呟く。
それだけで、
彼女が死ではなく生を見つめていると実感できるそれだけで、
僕は心が微量ながら軽くなるのを感じた。(中略)
 「生きるってのはね」
 「・・・・・・・・・」
 「きっと誰かと心を通わせること。そのものを指して、
  生きるって呼ぶんだよ」

彼女が書いた遺書を読んで涙が出そうになりました。
通勤途中の朝の電車の中で。




* 「副校長の読書散歩」とは?