兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

スタートライン

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スタートライン

3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

これからも本との出会いを楽しんで下さいね。
そして、本は著者の生き方を学び、
自分の知らなかった世界を知るきっかけになります。
それと同時に、心がほんわかするような、
優しい気持ちになれることだってあります。

時には悩み、苦しい時こそ、本のパワーを感じてみて下さい。
きっと、立ち直る勇気を与えてくれます。

それと同時に、「一歩踏み出す」「新しいことを始めるきっかけになった」と
言えるように実際に行動してみることも読書の一部です。

長田弘さんの「世界は一冊の本」という詩の中に
「人生という本を、人は胸に抱いている。」ということばがあります。
今、皆さんはスタートラインに立ったばかりです。
自らの信じる道を一歩ずつ歩んで行って下さい。
皆さんの活躍を応援しています。

最後に、一篇の詩を紹介します。




星野富弘さんの花の詩画集『鈴の鳴る道』より〉


 「百日草」 星野富弘


  美しく咲く
  花の根元にも
  みみずがいる
  泥を喰って
  泥を吐き出し
  一生土を耕している
  みみずがいる
  きっといる



この詩に初めて出会ったのは、中学の卒業式でした。
3年間の作文集の返却の時、ファイルを開くと
星野富弘さんの「百日草」の詩が書いてあったのです。
その時は、どういう意味なのか、何を私たちに伝えようとしているのか、
すぐには理解できませんでした。

しかし、自分の将来と向き合った高校3年生の時、
ようやくその意味を理解したのです。

「美しく咲く花」になるよりも、「みみず」のように、
自らの可能性を信じ、誰かのために、
支える力になる方が素敵だということを。





世界は一冊の本  鈴の鳴る道
左:長田 弘『世界は一冊の本 [definitive edition]』(みすず書房
右:星野富弘『鈴の鳴る道』(偕成社