兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

副校長の読書散歩 #29

新聞記事がきっかけで

Selected by 安積秀幸副校長先生

29


本校がNIEの研究指定を受けていることから、
新聞をできるだけ読むことにしています。
その気になって読んでみると、
日曜日に各社が工夫を凝らしている読書コーナー以外にも、
本にかかわる記事が多いことに気がつきます。

タイトルを見て「?」と思い、
読んでからは「!」と納得してしまう記事もありました。
「読んでみようかな」と少し気になっていた本への挑戦に、
背中を押された記事もあり、それがきっかけで
読み始めたということが続きました。

そのような本のうちの3冊を紹介いたします。




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ぼくがここに
まど・みちお 著(童話屋)



まど・みちおさんは、童謡の「ぞうさん」「一ねんせいになったら」などで
誰もが知っている詩人です。
まど・みちおさんの詩集を読むきっかけになったのは、
平成26年3月27日の読売新聞に中村桂子さんが、
『「?」と「!」を楽しむ』というタイトルで
書かれていた文を読んだことでした。

中村桂子さんとは、以前お会いする機会があり、
直接お話をお聞きしたことがあります。
そのときに、学生時代に購入していた中村桂子さんが翻訳された
『二重らせん』にサインをお願いしたことを
思い出しながら読ませていただきました。

『「?」と「!」』はビクトル・ユーゴーと出版社との間の
「世界で一番短い手紙」*で有名な2つの記号ですが、
別の意味の『「?」と「!」』を楽しく読むことができました。

新聞を読んで、さっそく図書室に行き、
岩崎先生に「まど・みちおさんの詩集を」とお願いし、
この詩集を紹介していただきました。
「ぞうさん」と同じように、
大好きなおかあさんが出てくる「タオル」という
あたたかい詩が印象に残りました。

 あさ トイレに いくと
 きまって まっていてくれる
 あらいたての
 さっぱりした タオル

 おはようさん わたしが
 おてふきがかりで ございます
 と たのまれて かしこまっている
 ままごとの
 おばあちゃんのようだ

 そして その BGMみたいに
 きらきら ひかって
 きこえてくる
 あおぞらに せんたくもの ほす
 ママの えがおまでが・・・