読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

副校長の読書散歩 #24

副校長の読書散歩

新聞で紹介された本

Selected by 安積秀幸副校長先生


新聞で紹介された本2


多くの新聞社が日曜日あたりに読書欄を企画しており、
様々な本を紹介しています。
また、新聞で連載した小説やコラムがあらためて
本として出版されることもあります。

連載されているときは、
毎回素晴らしい挿絵とともに紙面をかざっていますが、
本として出版されたときにはその挿絵はなく、
本文だけになっている場合がほとんどで、
非常に残念でありさびしく思っています。

近頃は、地域で出版された
地域独自の本も紹介されており興味深いものがあります。
今回は新聞で紹介された地域独自の書籍のうちで、
直接お話をしたり、お教えをいただいたり、
また、一緒に仕事をさせていただいた方が書かれた本や
勤務していた地域の方々が出版された本を取り上げてみました。

3冊とも学校の図書室にありますので、
是非手に取っていただきたいと思います。



IMG_3778.jpg


城の崎にて
志賀直哉 著(NPO法人 本と温泉)



『城の崎にて』は志賀直哉の代表的な作品の一つで
既に読まれた方も多いと思います。
地名の「きのさき」は「城崎」で「の」は入っていませんが、
小説のタイトルは「城の崎にて」と「の」が入っています。

平成25年10月21日の神戸新聞コラム欄「正平調」で、
城崎温泉の地元NPO法人
手のひらサイズの豆本で『城の崎にて』を出されたことや、
万城目学さんに新作を滞在執筆してもらう計画が紹介されていました。
早速、豊岡の知人に電話して、
その豆本を取寄せていただきました。

淡いブルーの箱に、『城の崎にて』と『注釈・城の崎にて』の
2冊がセットになって入っています。
『城の崎にて』は30ページ、
『注釈・城の崎にて』は93ページの本です。

事故で命を落としそうになった後に
城崎温泉に湯治にやってきた“自分”が、
屋根瓦の上の蜂や散歩の途中に見かけた川の中の鼠を見て、
「生」についての思いを綴っているのですが、
私はどうも暗い感じが続いていることに驚きました。
しかし、注釈を読むにつれ、納得をしてしまいました。
入っている淡いブルーの箱の感じと大きく違った雰囲気に、
そう感じたのかもしれません。
学校の図書室にも置いていますから、是非読んでみてください。

鴨川ホルモー』や『プリンセス・トヨトミ』などの
ファンタジーを書かれている万城目学さんが
どのような滞在記を書かれるのかを楽しみにしています。






はりま伝説


はりま伝説 夢物語
文・埴岡真弓 絵・ドウノヨシノブ(神戸新聞総合出版センター)



この本は、神戸新聞に連載されているコラムを出版されたものです。
新聞の連載も楽しく読ませていただいています。

文を書かれた埴岡真弓先生は、
本校での「姫路学」でも毎年ご指導いただいています。
授業にお越しいただいた時には毎回、
授業の前後に少しお話をさせていただきます。
姫路の様々なお話をお聞きするのが非常に楽しみです。

先日も、連載されているコラムを楽しみにしていることと、
出版される予定、出版されるのなら連載コラムと同じように
絵も一緒にというお願いをしました。
その時に、近々の出版予定と絵も一緒にということをお聞きし、
楽しみにしていました。

新聞広告で出版されたことを知り、早速取り寄せて読みました。
お越しいただいた時に、
姫路藩主の酒井雅楽頭と松江藩主の松平不昧が
茶道の師弟関係にあったことなどの話から、
松江の普門院での謡曲「杜若」(かきつばた)にかかる怪談が
小泉八雲の『神々の国の首都』に出ていること、
同じような話が姫路の下寺町にもあることをお伺いしました。

その話が、この本の36ページに
「禁じられた謡曲」として紹介されています。
また、本校の所在地の豊沢町の「相槌を打った狐」の話、
皿屋敷のお菊さんで有名な青山鉄山は
大河ドラマ黒田官兵衛が仕えていた
小寺家の家老であったことも紹介されています。

プロローグで埴岡先生は、
昔話はファンタジー、「めでたし、めでたし」で話が終われば
聞き手は現実の世界に戻る、
伝説は聞き手たちが信じることを前提に語りつがれた物語であり、
故郷に寄せる人々の思い、
その土地に生まれたことに対する誇りが込められている――
と書かれています。
播磨に関する伝説が百話紹介されており、読みやすく、
紹介されている史跡等を訪ねてみたいと思いながら読み終えました。

この本とは直接関係ないのですが、先日授業でお越しいただいたときに、
龍の第一子「贔屓(ひき)」の話になり、
第9回で紹介しました淡路平見神社の鳥居を担いだ
贔屓(地元の方は亀と言っておられますが)の写真を見ていただき、
「亀でなく贔屓」と同じ考えを持っておられることをお聞きし、
意を強くした次第です。






IMG_3766.jpg   IMG_3770.jpg



兵庫県 花の歴史探訪
橋本光政 著



橋本光政先生は、兵庫県の県立高等学校の教員をされていた方で、
私も一緒の職場に勤務したこともありますし、
いろいろと仕事もご一緒させていただきました。

非常にユニークな先生で、
私では思いもつかないことを考えられるし、
行動される方で、いろいろな刺激をいただきました。

橋本先生は植物の大家で、
珍しい植物も多く育てておられますし、
植物の話も多方面にわたって調べておられます。
この本の裏表紙に
マヤクサイチゴという植物の写真が掲載されていますが、
この植物の学名には先生の名前が付けられています。
まさに先生の研究成果の集大成の本です。

この本は、橋本光政先生の自費出版です。
昨年の暮れに橋本先生からこの本の出版の紹介と
購入のお知らせをいただきました。
平成26年1月7日の神戸新聞
先生の写真とともに大きく紹介されました。
価格が1万2千円と高価なのですが、
写真の数などを考えると納得がいきます。

表紙からして、
シーボルト牧野富太郎、大上宇市が紹介されていますし、
本文中にも多くの植物標本や資料、
当時の新聞記事の写真などとともに説明されており、
教えていただくことが大変多い、また、読んで楽しい本です。

重い本ですが一度手に取ってみてください。



* 「副校長の読書散歩」とは?