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兵庫県播磨高等学校の取り組み「読書の学校」の模様を発信中です。

副校長の読書散歩 #5

    ノーベル賞を受賞された朝永振一郎先生

           selected by 安積秀幸副校長先生

朝永振一郎先生

朝永振一郎先生は、1965年に
素粒子物理学に根本的な結果をもたらした、
量子電気力学の分野における基礎的研究」
に対してノーベル賞を受賞されました。

私は、大学生の時に朝永先生の集中講義「量子力学の曙」をお聞きしました。

私の大学時代の恩師が朝永先生の教えを受けられていたご縁で、
集中講義が実現したとのことです。
その時の録音を10年ほど前に恩師にダビングしていただき、
CDにして時々聞いています。

朝永先生の顔写真は、
雑誌「考える人」2009年夏号「日本の科学者100人100冊」
の表紙となっています。

朝永先生の著作については
「ふかふかの絨毯の上を素足で歩くような心地よい文章」
竹内薫さんが書いておられます。

「物理は嫌い、わからない」と言われる方も多いと思いますが、
著名な物理学者の、堅苦しさのない、
物理とちょっと離れた話と出会える2冊を紹介します。



量子力学と私



量子力学と私』(岩波文庫) 朝永 振一郎



この本は1997年岩波文庫創刊70周年記念として刊行されました。

書名からして読みたくないと言われる方が
ほとんどではないかと思いますが、
是非読んでいただきたいのは収録されている滞独日記(抄)です。
朝永先生がドイツに留学されていた時の日記なのです。

湯川秀樹先生と同級生であった朝永先生は、
次々と成果をあげておられる湯川先生や友人の論文を見るにつけ、
ご自身の研究が遅々として進まず、外国の文化にもなじめず
悶々と悩んでおられる苦悩の日々を綴られています。

私たちからすれば天才と思われる人ですが、
私たちと同じように悩み苦しむ人間朝永振一郎に触れることができます。

滞独日記のほかにも「鏡のなかの世界」や
ノーベル賞受賞講演が英文でもおさめられています。

書名に恐れをなさず、読んでいただけたらと思います。





物理学_上物理学_下



『物理学とは何だろうか 上・下』(岩波新書) 朝永 振一郎



私は大学生のころ、岩波新書1日1冊の目標を掲げました。
大変でした。

なぜこのような目標を立てたのかと
後悔をしながらも1か月あまり続きました。
その時に読んだ本です。

物理というより科学史という感じの読み物です。
時々「物理学生への注」が入り、
物理学を志す者へのご配慮もうかがえます。

皆さんがそれぞれ違った視点で、わからないところは読み飛ばして、
朝永先生の文章を楽しんでいただけたらと思います。



* 「副校長の読書散歩」とは?