『鼻』 芥川龍之介
selected by 国語科 中尾和男先生
異様な長い鼻に悩む禅智内供は、
奇妙な治療で鼻を短くしたが、
周囲の人間の嘲笑の目は、
以前よりひどくなり困惑する。
そんなある夜、
鼻は元どおりになり
内供は晴れ晴れとした気持ちになる――
『今昔物語集』『宇治拾遺物語』に
材をとった短編小説。
ユーモラスな話であるが、
他人の不幸を喜ぶ傍観者の利己主義への諦観と、
周囲の目に振り回される弱い自我への、
手厳しい批評が含まれている。
夏目漱石に賞賛された出世作。
* 先生の1冊とは?